Team B

サステナルブルライフを愉しむコンドミニアム&ホテル

良いと理解していても、日常の習慣を変えるのは容易ではない。そこでサステナブルライフを一時的に体験、実践でき、普段の生活に取り入れるための方法や経験をシェアする場としてコンドミニアム&ホテルを提案する。

キーワード: トレードオフ, ワークシェアリング, ワークライフバランス, 地産地消, 温故知新, 愉しむ

リサーチ 東京のエコプロダクツ展では、普段の人々の行動や活動によって新しいエネルギーや資源を産み出す技術や製品に注目。また、裂織やアルミ缶から屋根瓦への再生等、様々なリサイクル技術とその取り組みにも関心を持った。そして、サステナブルデザインとはエコデザインだけではなく、私たちの身近な生活で本当に良いものを知り、それを未来に伝え続けるデザインであると気づいた。

成果報告 2025年のビジョン 2025年、サステナブルな暮らし方や社会のしくみのバランスが取れ始めている。人々はサステナブルライフの豊かさを知って、より身近な自分の暮らしの中でそれを愉しみたいと考えるようになる。 また、ユビキタス社会により働き方が変わり、都心の巨大なオフィスビルはその役割を終えて新たな利用価値を求める。

2025年のビジョン
2025年のビジョン

2025年の仕事の仕方
2025年の仕事の仕方

提案内容 コンドミニアムホテルの役割この施設は大きく三つの役割を持っている。一つ目は多くの人々にサステナブルライフを普段から実践してもらうために、その生活を一時的に体験、実践できる場の提供である。二つ目にその生活、価値観、技術に慣れ、習得する事ができる。三つ目にサステナブルライフを伝えていくための発信の場所としての役割をなす。

設定場所 2025年、名古屋はサステナブルなモノ作りの中心地となり、それに伴い名古屋は次代を担うサステナブルライフを発信していくべきだと考えた。デザインの力で先導するナディアパークこそふさわしい。ここにこのコンドミニアム&ホテルを設定する。

空きビルを再利用したサステナブルコンドミニアムホテル
空きビルを再利用したサステナブルコンドミニアムホテル

Bteamまとめ

コンドミニアム&ホテルの内容 この施設は通常のホテル、コンドミニアム形式のホテル、ソーシャル活動を行う施設が設けられている。ここでの生活の基本は「ワークシェアリング」と「地産地消」。フィットネスマシンを使った運動や、人が歩くことなどで起こる振動といった人力によって、発電や水の浄化が行われる。また、食材、衣類などの生活必需品は利用者のソーシャル活動によって生産されて いる。例えば、野菜は室内に設けられた畑で栽培し、衣類は裂織という技術を使って作られる。裂織とは使われなくなった衣類の糸を解き、染め直した糸で布を織る技術である。

伝統技法でリサイクルされた衣類を使う
伝統技法でリサイクルされた衣類を使う

室内ファームで農作業をし、そこで取れた野菜を食べる
室内ファームで農作業をし、そこで取れた野菜を食べる

普段の仕事を減らしてサステナブルライフをするための仕事をする
普段の仕事を減らしてサステナブルライフをするための仕事をする

これらのソーシャル活動により報酬も得られる。それは新しい通貨として“エネルギーチャージカード”と名付けたポイントカードへ貯められる。この新しい通貨で買い物したり、滞在費に充てることができる。これは経済的格差を解消し、平等にコンドミニアムホテルの利用の機会を多くの人々に用意したいとの願いから考えたものである。また、それらのソーシャル活動は技術や文化の伝承にもなるだろう。


フィットネスジムでの運動や日常生活で起る振動によって発電や水の浄化を行う
フィットネスジムでの運動や日常生活で起る振動によって発電や水の浄化を行う

個人が作り出したエネルギーや物を他の生活必需品と物物交換するためのマネーシステム
個人が作り出したエネルギーや物を他の生活必需品と物物交換するためのマネーシステム

ここでの生活には顔の見えるコミュニケーションが必要である。そこで滞在者の出会いの場所として共有スペースが各所に設けられている。また、各フロアの部屋は日本家屋の襖のような簡単に取り外しできる壁で仕切られている。これによって、様々な出会いで変化する利用者のニーズに応じて部屋の拡大縮小を行える。

住み方に応じて形を変えられる部屋
住み方に応じて形を変えられる部屋

そして、ここで実践したサステナブルライフを実際の生活へ取り込むための相談所としてコンサルタントが常駐している。

結論 サステナブルな社会を実現するためには生活者の積極的な参加が重要であると思う。情報や経験のシェアは、ライフスタイルのシェア、そしてコミュニティのシェアへ。やがて、この場所や滞在者によってサステナブルライフの豊かさが全国、全世界へ広がり、人々の生活は「トレードオフ」スタイルからサステナブルな「バランス」スタイルへシフトする。

我々のチームでは「愉しむ」をキーワードにしてワークショップと提案を行ってきた。この言葉はどんな先の未来でも生活者の積極的な参加に繋がるいいキーワードだと感じている。デザインの力で楽しいサステナブルライフを伝えていくことが、サステナブルな社会の礎を築くことになるだろう。

Bteamまとめ
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