Team A

サステナブルごみステーション

2025年におけるサステナブルごみステーション

持続可能社会実現のためには「人間が不変に欲するもの(human needs)」を見つけ出し、社会体系をそのhuman needsに近づけ、価値に重きを置く脱物質化が重要である。本提案ではごみの流れに着目し、human needsの向う先が持続可能社会を指し示す、「サステナブルごみステーション」を検討した。

持続可能社会とhuman needsの要素
持続可能社会とhuman needsの要素

human needsを軸に脱物質化と心の豊かさを満たす社会の構築
human needsを軸に脱物質化と心の豊かさを満たす社会の構築


human needsを満たす持続可能社会のコンセプト
human needsを満たす持続可能社会のコンセプト

キーワード: 持続可能社会、心の豊かさ、脱物質化、廃棄物処理、再資源化、モーダルシフト

リサーチ 現在、大量廃棄処理による環境破壊、また異世代間交流の希薄など人との心のつながりが問題となっている。持続可能な社会を実現するためにはモノの提供から価値の提供への脱物質化とともに心の豊かさを追求する必要がある。そこで心の豊かさに関して人間が不変に欲するもの(human needs)に焦点を当て、どのように持続可能性と関係していくかをみることとした。はじめにhuman needsと持続可能な社会の双方の必須要素を抽出するため、最新技術を展示したエコプロダクツ展や日本科学未来館、明治時代の町並み・生活を再現した博物館明治村、世界遺産でもある白川郷においてフィールドワークを行った。

human needsに関するフィールドリサーチ
human needsに関するフィールドリサーチ

日本の伝統的な美意識(明治村)
日本の伝統的な美意識(明治村)

成果報告・提案 エコプロダクツ展や明治村等におけるフィールドリサーチから、環境効率性の高い技術の普及、省資源化、ローカルコミュニティにおけるコミュニケーションの活性化、日本人の「もったいない」や「粋」という意識の必要性など持続可能社会に向けた課題が浮き彫りになった。その中で持続可能な社会を実現するのに必須な要素として「共有、効率、再利用、責任」が挙げられた。またhuman needsの要素としては「日本固有の“粋”や“通”と言った概念、心地よさ、意思疎通、コミュニケーション」が抽出された。この二つの必須要素を同時に満たすことが持続可能社会の構築に不可欠であるとすると、humanneedsの向う先には持続可能性の必須要素が含まれてくる必要がある。

そこで現状において持続可能な社会を目指すのに多くの課題を持つごみの流れに焦点を置き、双方の必須要素を満たすひとつの未来の姿として「サステナブルごみステーション」を提案する。2025年には駅周辺に都市が集中するローカルコミュニティが形成され、ごみ捨て場が輸送等の効率性から駅に隣接される、つまり「ごみステーション」と「トレインステーション」の融合が図られる、というごみの流れのシステム体系を提案するものである。2025年の持続可能社会では、現在の「ごみ」というマイナスイメージは払拭され、日本固有の「粋」の精神と環境教育の推進によりプラスイメージとしての「資源」として認識されている。そのため駅の構内にごみ置き場を隣接させることができる。ごみ資源を積極的に再利用または共有することは新たな「通」なはからいとして認知され、構内に設置された「再資源共有ショップ」において利用されている。またごみをちゃんと分別するとその対価としてカフェを利用できる権利を得られる。そして共同で分別を行った地域の人と会話を楽しむことができる。またそこで集められたごみは乗客数の少ない時間帯に電車で輸送され、リサイクルセンターで一括して再生可能 資源として生まれ変わる。モーダルシフト、廃棄処理量の低減、再利用、コミュニケーションの場の提供など、ごみをプラスイメージの「資源」として転換させることで、human needs の対象とし、サステナブル社会を担うひとつの体系となる。

human needsが持続可能社会の必須要素に向かうヴィジョン
human needsが持続可能社会の必須要素に向かうヴィジョン

Ateamまとめ

human needsの要素抽出のためのブレインストーミング
human needsの要素抽出のためのブレインストーミング

結論 心の豊かさと脱物質化を実現した持続可能社会の構築に向け、human needsという視点からフィールドリサーチにより持続可能な社会における必須要素を抽出し、それらを満たすごみの流れの体系として「サステナブルごみステーション」を提案した。以下にその抽出結果と提案がどのように持続可能社会に活かされるのかを要点としてまとめた。

リサーチ結果、続可能性必須要素として「共有、効率、再利用、責任」が、またhuman needsの要素としては「日本固有の“粋” や“通”と言った概念、心地よさ、意思疎通、コミュニケーション」が抽出された。

上記の必須要素を満たす「サステナブルごみステーション」はモーダルシフトや再利用の推進、コミュニケーションの場の提供など、低炭素・循環型社会を目指すと同時にローカルコミュニティにおけるコミュニケーションの活性化を果たす役割を持つ。

よって「サステナブルごみステーション」とは、駅毎に形成された持続可能なローカルコミュニティの中で生活する人々が「ごみ資源」を起点に、環境やお互いを意識し心のつながりを強く持つコミュニケーションの場と言い表すことができる。これは持続可能社会の体系を示す、ひとつのビジョンと成り得る。

a. 飲用容器の問題と付加価値の検討
a. 飲用容器の問題と付加価値の検討

b. 自動販売機におけるコミュニケーションの場の検討
b. 自動販売機におけるコミュニケーションの場の検討

c. 飲料水のごみ削減の検討
c. 飲料水のごみ削減の検討

持続可能な社会を描く『サステナブルごみステーション』
持続可能な社会を描く『サステナブルごみステーション』

Ateamまとめ
メンバー