Summary

「2025年のものづくり名古屋の姿」は活気に溢れる先進都市

今や、専門学校や大学で学ぶ学生たちほど、この地球の未来に大きな影響力を握る者はいない。彼らは、前世代が作り出した問題の深刻さを理解する分別と洞察力を持ち、同時に、自分と世界の未来について飽くまでプラス思考の楽天的な展望を抱いている。

「DESIGN FOR SOCIAL INNOVATION」と題したワークショップでは、日本、中国、台湾、タイ、アメリカから参加者が集まり、「2025年のものづくり名古屋の姿」へ革新的な提案を行った。彼らは、明治村や白川郷を訪ね過去を学び、東京でサステナブルな製品の現状を視察し、「サステナブルデザイン国際会議」では、問題解決への現場での取り組みやブレーンストーミングという手法を学んだ。現実的な制限や実情にこだわらず、10日間での経験や発見から学んだものと彼ら独自のアイデアを組み合わせることに焦点を絞ったワークショップ。最終プレゼンテーションで、若い世代が描いた「2025年のものづくり名古屋の姿」は、進歩的で活気に溢れる街となった。

4グループが提案したのは、ゴミ資源循環を図る斬新なアプローチ、エコホテル計画、「e-cal」と名付けた測定システムを用いる物やサービスの新しい査定法、使用されていない土地の活性化のアイデアである。質疑応答のセッションでは、会場のプロのデザイナーたちも、プロジェクトの実現可能性をめぐって意見を述べたり、幅や深みを加えるアドバイスを行ったりと、熱気に包まれた場が展開した。

こうした類いのワークショップでは最終産物と同様にプロセスが重要である。このワークショップは、幾つかの点で、プロが環境や社会の問題に実際に直面する課題を正確に映し出していた。どのように古い思考から離れて過去を学ぶか?異なるメディアを用い、異なる言語を話すデザイナーたちが、どのように協同して問題を解決していくか?色々あるなかで、どのように一点に絞っていくか?どのようにして、自分にも他人にも寛容で優しいアイデアを考えつくことができるか?疑問や相反する意見の数が多ければ多いほど目前の仕事の重要性が際立ち、参加者はそのような違いを克服しようとする。最終日が近づくにつれ、国、年齢、出身校、仕事の経験その他の違いを超えて、サステナブルな2025年へのビジョンを提示しようとする意識が高まっていった。

最終ゴールは、サステナブルな宝箱を名古屋市に手渡すことであったが、参加者自身も、新しいコンセプトやアイデアやつながり合いに満ちた宝箱を手に入れ、クラスメートや同僚や会社や学校と分かち合うために母国に戻っていった。「DESIGN FOR SOCIAL INNOVATION」は、「連携」と「勤勉」をイマジネーションとイノベーションとビジョンに結びつけることによって、2025年とその後のサステナブルな未来の創造に大きな役割を演じていくようにと、若い世代の背中を押している。
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エアリス・シェリン